
フォーラムでも一部の希望者に対してZOOMでの参加をお願いしましたが、今回も一部の受講者の方はZOOMでの参加となりました。
さて、実務研修も4日目を向かえ、具体的な講座も増えてきました。
午前中は「後見業務の実際1」として、家庭裁判所との関わり、後見監督をテーマに、元家庭裁判所書記官の米山昌志氏より、たっぷり2時間のご講義をいただきました。
法人後見として受任しているケースすべて家庭裁判所によって「監督」を受けています。その「後見監督をする」とはどういうことをいうのか?後見監督とは、「後見人が適切な身上保護と財産管理をしているかの確認をする手続き」であり、その方法、手段として、それぞれの類型で用意されている事務報告書を提出させること等で実施していることをわかりやすく説明くださいました。
実務中に何らかの課題が発生した時の対応方法についても代理権が付与されいる、個人選任の場合と法人後見の事務担当者として活動する場合にわけて活動するよう注意を促され、いずれの場合も相談できるしくみが必要で、センターの職員に聞いたり、裁判所に上申したりと具体的な方法を示しながら一人で抱え込まないことについては自身も共感しながら講義を聴きました。
実際の事務報告書の項目について細かく説明を加えたうえで、その書き方について事例を活用しながら実際に記入もしてみました。事例を読み解きながら、必要な情報を報告書の項目に記載していくことができました。
このブロクには記載しませんが、米山氏が対応してきたお話も伺うことができたいへん興味深い時間になりました。
昼食後、午後1時より、講義時間が1時間と短い時間になってしまいましたが、安形税務会計事務所所長の安形京子 税理士より「税務」-税の仕組みの理解-について講義をしていただきました。
被後見人等に不利益をもたらすことのないように、財産管理に必要な税務の概要について、税の仕組みを正確に理解することを目的に、後見人等に求められる税の知識について、税金の種類について(所得税・住民税・相続税等)、税金の計算のされ方、確定申告について・・・・。
企画・運営側としては1時間では足りないと猛省。
「令和2年度版 暮らしの税情報」という冊子も受講者及びスッタフ分準備くださいました。調べられるものはもう一度調べ直して税務についての理解を再確認したいと思います。
休憩をはさんで、本日の3コマ目は、「後見業務の実際U」として、後見人としての心がまえについて確認しました。山本さんの進行で、当法人の理事で市民後見人の池田進さんと市民後見人の丸山智子氏に、事例紹介を含めながら、実務の中で大事にされていることをそれぞれご報告いただきました。

丸山さんは、2010年7月に当法人の市民後見人養成講座を修了し、市民後見人名簿に登録されている方です。当初は責任の重たさを痛感され、市民後見人になるとは思っていなかった。といわれながらも、現在、ご担当いただいている被後見人等の状況と後見人としての関わりや、大事にしていることとして、最低月に1回の本人との面会や、支援者のチーム作りを心がけ情報を共有していること、記録をきちんと作成していこと、毎週のミーティングに出席し、報告をしたことに対してアドバイスがもらえること等の報告をいただきました。
池田さんからは、「後見人活動をするうえで心得ること」として、『1.どんな立場で活動しているのか意識すること。2.お金に関わる不正は絶対にしない。3.被後見人と仲良くなる。4.大きな心で支援する、5.亡くなられたときどうするのか準備する。』の5点について後見事務するうえで重要な視点についてご教示いただきました。受講者のみなさんも、どの項目も「ウンウン」と頷きながら聞き入っていました。
本日の締めは、定着してきたフィードバックタイムEとして、私(工藤)より、成年後見制度に必要な書類の紹介とグループワーク「外出・買い物好きの花子さんへの対応」を1時間ほど実施しました。
最初の、成年後見制度に必要な書類については、本日の午前中の講義の復習になったかな。テキストとして活用している「市民後見人養成講座3 市民後見人の実務」を活用し、それぞれの書類について解説しました。受講者の中には、ケアマネさんやMSWさん、相談支援員さんもいますので、本人情報シートについては最高裁の資料を活用しました。テキストには東京家庭裁判所の書式が中心でしたので、受講者の方には、現在使用している、名古屋家庭裁判所の書式をそれぞれ準備しました。定形されている裁判所の書式と、当法人にある、活動記録や小口現金出納帳についても紹介しました。
一通り、必要な書類と書類を裁判所に提出するタイミングについて確認したあと、池田さん、丸山さん、他に聴講されている市民後見人の方も一緒にグループワークをしました。

テキストの演習課題を用いましたので、全体で読み合わせたあと5分ほど「あなたが花子さんの成年後見人となったらどのような対応を考えるか」を個人ワークとして考えていただいた後にグループごとに検討をしていただきました。
どのグループも活発な意見交流ができました。それぞれグループごとに発表をしていただきましたが、どのグループもまずは「花子さんを中心に考えていること」「花子さん意思は?」「支援者のチーム作りの視点は」と今までの学びが定着されつつある様子を伺いしることがで、企画者としてはニンマリと本日の講座を終えることができました。

受講者のみなさま、講師のみなさま。ありがとうございました。