コロナ禍で対応を苦慮しながらも、開催受付時に検温と手指消毒、マスクの着用。常に換気とソーシャルディスタンスを心がけ、講師や受講者には少し寒い思いもさせながらの開催となりました。ようやく市民後見人養成講座の折り返し地点を過ぎることができました。

工藤は、3階の事務所からZOOMを利用して講義の様子を視聴していました。
今回の5日目は、成年後見制度の支援の対象者(本人理解)理解を促すことを目的に、高齢者分野をとりあげました。午前中は、豊川市介護高齢課の柿田真宏氏と橋本祥子氏を講師に迎え、認知症サポーター養成講座を実施しました。
本当は1時間30分の講座なのですが、午前中の時間をめいっぱい活用していただきました。
誰もが罹患する可能性のある「認知症」。その基本的な知識をもち、ご本人の状況に合わせた、接し方を知ることはとても大事で、そうした認知症のある方を地域で支える仕組みがとても大切だな。と感じました。合わせて、地域の支え合いだけで解決できそうな問題とそうでない問題についてはきちんと整理をして、成年後見制度を利用するとか、日常生活自立支援事業を利用するなどのスキーム作りが必要と思いました。

認知症サポーター養成講座修了者さんには、オレンジリングが配布されるのですが、過去に修了されており既にお持ちの方は配布できないとのこと。

なんとなく少しデザインが可愛らしくなったかな。
昼食後は、よしおか国際福祉研究所所長、東京福祉大学通信教育部及び一般財団法人日本総合研究所社会福祉士養成所で講師等されている吉岡英雄氏に講師をお願いし、高齢者に係る法制度の理解をテーマにたっぷり2時間ご講義をいただきました。

高齢者福祉施策だけではなく、「福祉」全般と高齢者福祉に関係するところを、戦後の日本における福祉の移り変わり、措置制度から契約利用制度への変遷及び社会福祉構造改革の実態等の説明をいただきました。
介護保険が社会福祉基礎構造改革に示された改革の方向性等を具現化したもののひとつとの説明に頷きながら、改革の方向性に示されている「福祉の文化の創造(社会福祉に対する住民の積極的かつ主体的な参加を通じて、福祉に対する関心と理解を深めることにより、自助、共助、公助があいまって、地域に根ざしたそれぞれに個性ある福祉の文化を創造する。」は、「市民後見人」のことでは?という問いかけにも頷いてしまいました。

テーマが「高齢者に係わる法制度の理解」だったので、ともすると昼食後の一番辛い時間(講師にとっても、受講者にとっても)になるかと思いきや、受講者を飽きさせることなく、2時間があっという間に過ぎてしまった。との感想があるほど、惹きつけられる講義でした。
15分の休憩後、フィードバックタイムDとして、私の進行で(ほとんど発表者に委ねましたが…。)成年後見制度の理解を深めることを目的に、実際に当法人で市民後見人として活動、活躍いただいている古川伸氏(当法人理事)より、後見活動の具体的内容のご講義をいただきました。

当法人の会報第21号、第52号で紹介している知的障がいのある被補助人さんが大リーグ観戦のために渡米旅行をしたこと。今年は、古川さんがご本人と相談しながら、大リーグの観戦を計画しいろいろ手配をすすめたがコロナ禍でできなかったこと。のお話を伺いました。
アパートで一人暮らしをはじめた知的障がいのある被後見人さんに対しては、面談の度に、自家野菜を届けて、ご本人の食事(自炊)のレパートリーが増えたこと。帰省の際には、バスの乗り方、タクシーの手配の仕方などを一緒になって帰省の手続を勉強し、一人で帰省ができるようになったこと等を報告されました。
いずれの報告も「本人がしたいこと」を支援者がきちんと読み取りながら、コミュニケーションを大切にしながら日々の支援の様子が大変よくわかりました。
講師の快諾いただいたみなさま。受講者のみなさまの協力によって、なんとか第5日目を修了することができました。2021年7月までこの講座は計画しています。どうぞ、宜しくお願いします。